「操るだなんて、そんな物騒なことを? ただ貴方方が、僕に魅せられていただけなのに」

 あざ笑うかのように言うと、三人はナエルを睨みつけた。

 同じ魔族だというのに、自分をゲームの駒と同じように扱われたことが悔しくてたまらなかった。

「マリア? あのバトラー、アタシにヤらせてもらえないかしら?」

 静かに怒りを奮い立たせながら鉄扇を開きながら言うと、フェンリルとルーシュも同じことを言ってきた。

 マリアは銃をなぞりながら答える。

「なら…早い者勝ちでどうだ? あたし達を、ここまでコケにしてくれた色男のバトラーの泣き顔を、誰が先に見せるか…」

 四対一とはいささか卑怯ではあるが、相手は魔族。

 問答無用だ。

 四人は口の端を歪めて目で合図する。

 先に飛び出したのは…

「ヴァン・ウィング!!」

「ドラゴン・ショット!!」

 フェンリルとファブニルの同時攻撃。
 ナエルは、タンっと地面を蹴り、夜空へと跳び上がり攻撃をかわした。

 ファブニルは舌打ちをしたが、フェンリルはニヤリと笑みを浮かべ、拳を空に振り上げた。

「何っ!?」

 フェンリルが放った光りの刃が軌道を変え、ナエルのいる上空へと昇る。

 ナエルは多少驚いたが、それを難無く避けた。