空からの柔らかな光とともに、織天使の羽が舞い降りる。

 その中心から、一筋の金に光る柱が地上へと繋がる。

 羽根を羽ばたかせる音が聞こえたかとおもうと、その筋を通ってやってきたのは一人の天使。

「お久しぶりです。東の聖女、マリア=サムシエル」

 優雅に地上に足をつき、優しく微笑む天使。
 マリアとよく似た髪と瞳を持つ青年だが、一つ違うとすれば、マリアと違って笑顔があるということ。

「何の用だミカエル?」

 空から現れたのは、あの天界のリーダーであるミカエルだった。
 そんなミカエルを呼び捨てにし、あまつさえ見下すように話しかけるマリア。

 しかしミカエルはたじろいながら苦笑した。

「相変わらずですね。今回は貴女方四人に、北に封印されている魔王の再封印に行ってもらいたいのです」

「魔王の再封印? 何寝ぼけたこと言ってんだ? そんなもんはお前ら天使の仕事だろうが」

 困った顔をしながら、ミカエルはため息をついた。