――高校時代入るチームって重要じゃん。

   良くても悪くても将来に影響を及ぼすじゃん。――

 高校時代に入るチームも重要かもしれないが、必ずしもそうとも限らないような気もするが。

 悩みを解決するのに一番手っ取り早いのは、未来が見える超能力を持つこと。

 だが、こんな能力は珠理には持ってない。

「はぁ・・・。」

 あの夜から、何回ため息をついたのだろうか。

 あの夜の前の二倍・三倍いや、何十倍もため息をついただろう。


 ある日の練習の前のこと。

「監督、お願いします。」

 監督に中学部引退後の道について相談した。

 珠理の思い、なでしこになりたい夢、父親から言われたこと。

 すべてを吐いた。

 監督は、これ以上珠理が言葉しゃべれなくなったときに、

「珠理の思いはわかる。
 ただ、どんなに俺から助言しても、決めるのは珠理だ。
 それだけは分かってくれ。」