あれから、時間がたつのはあっという間だった。 気が付けばわたし達は 中学3年生。 慌ただしい受験シーズン 真っ最中だ。 …行きたい高校は どこだって? そんなの…わたしには とっくのとうに決まってる。 わたしは─────… 「おーい!ゆ〜めか〜!」 なんとなく落ち着く低い声。 居心地のいいこの声は もちろんあの人しかいない。 「……颯太?」 当たりとでも言うように 颯太はふっと微笑んだ。