「………あ、わこだ!」
突然…、晴海くんは小さく叫んだ。
「え?」
視線の先、テレビの画面の中には……
私達の姿。
15秒の恋を描いた、私達の…CM。
「………。何度見ても…可愛いね。」
「……。いえ。お世辞はいいから。」
「化粧した奴の腕がいいのかな。」
「……。…そうかもね…。」
「……けど…、15秒しか見れない。」
「…………?」
「俺だけは…、もっと、ずっと見ていられる。」
「………変なの。」
「……ん?」
「お互い様…、でしょう?」
「………。…そっか。会えなくて…少しは寂しかった?」
「……。……うん。」
寂しかったよ。
近くにいたはずなのに……
ずっと、遠かった。
「………俺、また引っ越そうかな。」
「……え?」
また……、どこかに行くの?
「広い部屋に…、一人は寂しいって、多分思ってるから。」
「……………。……?」
「……もっと。…近くにいたい。」
「……………。」
「寂しがりや同士…。一緒にいた方がいい。だから……、帰って来てもいい?」
「……………。」
「……って言っても、お隣りじゃなくて。………手が…届く距離に。」
「……。……うん。」
晴海くんは、悪戯っ子みたいに笑って……。
うっすらと、目を…潤ませた。
「………。泣いてもいいよ。私しか…見ないから。」
「泣くか、馬鹿。」


