「……ただいまー…。」
マンションの部屋に帰って来て…、
定位置に…鍵を置く。
両親が暗がりに寂しくならないように、と…
目の前に飾ったクリスマスツリーの明かりが。
部屋に光を燈す。
「…………。」
去年のクリスマスには…
こんなゆとりすら…なかった。
ただただ、悲しむばかりで…この日が来るのが怖くて……。
何かに…縋りたくて。
「…………。」
そんな時に……
彼が言ってくれた。
一緒に居よう、と……。
結局は仕事に行って、約束さえ忘れて……。
……会えなかった。
「………。」
約束……、か。
あの中庭は今……
どうなっているのだろう。
壁掛け時計を…確認する。
もうちょっと。
あと少しで…イヴが終わる……。


