ベリーズ社を出た私は…、まだ、ふわふわと地に足が着かない状態で…歩いていた。
「…まあ、まずは…お疲れ。」
「……ありがとうございます。」
「…アッサリ…通ったな。てか、笑わせてもらったよ。お前らいつの間にあんな画を撮ったんだよ。」
木村さんが思い出しながら……笑いを堪える。
「コンテで十分っつーところを…揃いも揃って大根役者ばかり。博打打ってどうすんだ。俺は正直焦ったよ。フォローもできなかった。」
「あれはですねえ…、美帆のアイディアです。」
私は、ちらりと…彼女に視線を移す。
「破天荒がまた一人……。」
「かわいかったでしょう?ウチの平瀬♪」
仕掛人の美帆は、呑気に…ヒールを鳴らし、先を歩いていく。
「こわいねぇ、女は化粧ひとつでバケる。」
「木村さん。それが狙いですから。」
「………。…なる程。」


