小会議室……。
「はい。」
「ありがとうございます。」
博信は缶のミルクティーを…、私に手渡す。
二人蓋を開けて。
2、3口飲んだところで……。
「…久しぶりだな、こうして二人で話すの。」
博信が先に…話の口火を切った。
「緊張で喉がカラッカラ。」
「………私もです。」
彼は、ははっとひと笑いして…
ようやく、私と目を合わせた。
「最後にわこと仕事したいと言ったのは…、実は俺なんだ。」
「………。」
「未練がましくて引くか?…まあ、お前には迷惑な話かもしれないけど、そのくらいのワガママは許してもらえるかな。」
「……いえ…。むしろ、こんな大きな仕事を…、私なんかでいいんでしょうか?」
「………。他人行儀。見事に上司と部下に戻ってるし。悔しいなあ…。」
「………ごめんなさい。」
「謝る必要はないよ。お蔭様で…、踏ん切りもついた。」
「……………。」
「……仕事に関しては…わこは断らないと解っていた。逆手にとって…思い出作りと言おうか、デカイ仕事を成し遂げるには…パートナーはお前しかいない。」
「……買い被ってますよ。」
「馬鹿にするなよ、本来なら、仕事にプライベートを持ち込むような…俺じゃない。……ただ、お前が、特殊だったんだ。わこの仕事ぶりに惚れていた。好きになってしまったのも……わこだった。公私混同もしてしまう理由が…そこにあった。」
「…………。テレビ局に…行くんですよね。」
「ああ。先方は、すぐにでもと…言っていたが、時期をずらしてもらった。この仕事を勝ち取りたかったからね。」
「………。私が、こんなことを言うのもおかしいんですが……」
「…?ん?」
「美帆は?彼女とは、この先……。」
「………。……どうにかなると…思ってたか?」
「え……?」
博信は、困ったかのように眉毛を下げて…。
「……彼女と俺は…、そういう関係にはなれない。わかっていて、あの時……お互いに甘えただけだった。確かに告白は受けたし、一晩飲んだくれて…、でも、それだけだ。誤解されても仕方ないけれど…、わこは、迷わず疑っただろう?」
「………!」


