「居場所が知れただけで…、十分です。木村さんが側にいるなら…彼も、きっと、立ち直ることができます。」
「………。」
「きっと今は…、一人になりたいんだと思います。スキャンダルの後だから…メディアの対応もあるでしょう?全てが終って。彼が落ち着いた頃に…、また、出会ってみたいです。だから…、伝えて下さい。待っているって。」
「……せっかくの行為も棒に振る……、か。まあ、お前の気持ちはもう伝わってると思うけどな?……一緒に…、見たよ。今朝のめざめテレビ。」
「………!」
「俺の憶測だけど…。家を出ることにアッサリと承諾したのは…、お前に火の粉が飛ぶのを恐れてのことかもしれないな。ま、あとは若者同士…、勝手にやればいい。だけどお前も大変だろうにな?」
「…え。」
「仕事もぬかりなくやってくれるんだろ?早速だが、今日のプレゼンはお前に任せるよ。」
「……は?」
「だって男がこの香り高いシャンプーを語っても…気持ち悪いだろう?」
「………。」
「…あと1時間かあ。…期待してるヨ。」
「……え…、ええ~っ?!」


