ソラナミダ







会議室にて…テーブルに、資料を並べていく。





パソコンに、スクリーンを準備して、


パワーポイントに……









「………平瀬。」





「…………。」





いつの間にか……、



開いた扉から、木村さんの……姿。








「……来るんじゃないかと…思ってました。」




「…わかってんじゃねーか。」




「だって、晴海くんのことになると……木村さんは、敏感だから。」



「……………。まあな…。お前はまーたぶっ飛んだことしやがって。世間を騒がすぞ?」



「解ってます。責任なら…とります。」



「本当に馬鹿になりやがって。怒る気もしねーなあ。」



「…会社に迷惑がかかるようでしたら…、首になっても仕方ありません。ただ、仕事を蔑ろにするつもりもありませんので……。どちらも、全力で行かせていただきます。」




「ふっ切れたな。」




「………ハイ。」




「……で?俺は一応止めたつもりだったけど……、それでも、やっぱりあいつを選ぶのか?」



「……はい。」



「どこまで…ヤツを知った?」




「…………。木村さん。聞きたいことがあります。」



「ん~?」



「最終確認です。」




「…………。」




「全部を知って…、それから、またぶつかってみたい。」




「……。そうか。まあ…、まず座れよ。」



「………ハイ。」





私は木村さんに促された通りに…、椅子へと、腰かける。




木村さんは立ったまま、じっと……



窓の外を……見つめていた。









「前に……、木村さん言ってましたよね。晴海くんとは親戚のようなものだ、と……。」





「……ああ……。」




「彼に…ご両親はいないと、報道されていました。児童養護施設にいたとも…。なのに…、血縁関係にある人が、近くにいるとは…考えづらかった。どういう…ことですか?」




「…………。母親の話から…しようか。」



「………!」



「…もう…、気づいたんだろう?逃げるなと言った意味は…そこから来ている。……違うか?」



「そうです。」



「……なら…、もういいかな。俺にも責任ある話だ。」