社員証を翳して。
目の前の自動ドアが…
開く。
社員達の視線を一手に担って。
デスクへと…歩みを進める。
原因はわかっている。
この業界……、メディアの効果と恐ろしいくらいの宣伝力は…重々解っている。
「おはようございます。朝からお疲れさんですっ。」
こういう時に、悪びれなく声を掛けてくるのは……
まあ、都築くんくらいだろう。
「派手にやらかしてましたねー。ってか、宇野晴海と同じマンションだったとは知りませんでしたよ。俺なら周りに言いふらしそー。」
「………。そうでしょうね。」
「なる程~って感じっス。」
「何が?」
「いえいえ、久住さんでも敵わないはずだわって話。」
「………。口…、縫ってあげようか?随分綻びてるよーだし。」
「……!……さあさ、仕事仕事~♪」
すごすごと…逃げ去っていく都築くん。
思った以上に……
大事になっているのか……?
「平瀬~!!」
一番奥から……木村さんの声。
一難去って…
また、一難……?!
「会議室の準備しとけ!10時からコンペ始めるぞ。」
「…はい!」


