「……じゃあ…、コレは…?」




家族の写真をおさめた、その写真立ての側に置いていた指輪を…


そっと、持ち上げる。






彼に……、両親はいない。



いや、正確には…いなくなった。





古びた指輪を、なぜ大切に持っていたのか……。







「……………。」



指輪の内側を…太陽の光に当ててじっと見据える。



「………。……U…、K……?」



以前は読み取れなかったはずの文字が…


かろうじて、読み取ることができる。



「……イニシャル……?」





私の母親の物だと…彼は言う。













私は……



写真立ての母の顔を、じっと……


見つめた。