「いやあ……、まさかまたおねーさんを乗せることになるなんて…、思ってませんでしたよ。」
運転手は……、さっきのおじさん。
「本当…、そうですよね。あの……、ちなみにどちらに向かってるんですか?」
「……秘密です。」
「降りてもいいですか?」
「ダメダメ!!それだけは~!」
「…………。」
「どうやら僕はホントにキューピッドになりそうですね。」
「……。どうでしょう?」
流れていく……街のネオン。
高鳴る…胸の鼓動。
『わこに…会いたい。』
電話越しで聞いた晴海くんの声は……
とても、小さくて。
その先で……
彼が笑っているとは到底思えなくて。
『わかった。』
迷わずに……返事した。
事情なんて、わからない。
だけど、君の、そんな声一つで……
私は、つき動かされてしまう。
傷ついたって、構わない。
そう、思えるのだから……
自分が…、怖い。


