朝起きて……
私は、まだ半分寝ぼけながら……
身体を起こした。
「……………。」
あれ……?
ソファーの上。
そこには……
いちかさんは、いなかった。
そのかわりに、タオルケットがきちんと畳んで……
置いてあった。
「…………!」
それもそのはず。
時間は……
「嘘っ!!7時50分?!」
だいぶ…
寝過ごした!
いちかさんはもうとっくに…現場入りしているのだろう。
大丈夫だったのだろうか……。
ちくちくと痛む胸。
「……ご飯…は、食べてる暇ないか。」
慌てて着替えをして、
洗面所へと向かう。
顔を洗い…
歯を磨き……
いたって軽目のメイクする。
それから、栄養ドリンクをとりにキッチンへ向かうと……。
その、テーブルの上に。
メモが一枚…
置かれていた。
「………?」
メモは…、いちかさんが残したものだった。
【お世話になりました。
だいぶスッキリしたので…また、出直します。】
最後には。
いちかさんの携帯番号と、アドレスが書き留められている。
「…………。」
私は……
彼女に感謝されるようなことは…
何ひとつしていない。
偽善者ぶって、
話を聞くふりをして…。
裏切った。
連絡なんて、今更できる訳が……、ない。
そのメモに、触れることもできずに……
「………行ってきます。」
私は……
家を、後にした。


