「魔夜!ア、アンタ一体どうやってこの部屋に…」

「…悪魔ヴァンパイアの力に目覚めた今の俺に、出来ない事なんてないさ。」

「えっ!?あ、ち、ちょっと何を、あっ!」

私があたふたしている間に、魔夜の奴、私をベッドに押し倒して馬乗りになって、両手で私の肩を押さえつけて更に言った。

「オンナ一人、虜にする事だって、ね。」

「や、やだっ!な、何するのよ!」

私は暴れた。でも、コイツの私を押さえつける力…強い…

「…ベッドの上でオトコとオンナがする事なんて、たった一つしか、ないだろ!?」

「そ、そんな…い、いやっ!大声出すわよっ…む、むぐぐっ…んっ…」



…声を出す前に、私の口は素早く、魔夜の口でふさがれていた。



「…んっ…んっっ!ぷあぁぁっ!」

「…十秒キス、しちゃったな、俺と。」

私は一瞬呆然としたけれど、魔夜の私を押さえつける力が弱まっているのに気づいて魔夜の両手をはねのけ、何とか上半身だけは自由になった。

そして自由になった右手で、魔夜の頬を思いっきりひっぱたいてやったんだけれど…