魔夜は、担任の安岡の物まねで私達を馬鹿にした。

休み時間の教室内は、男子達のムカつく笑い声で響き渡った。

「超ムカつく!特に魔夜!何でアンタは私にそんなにイジワルなのかしら?

悪魔の化身よ!」

「本当!私も悪魔には呪いなんか効きそうに思えなくなってきた!

夏美っ!こんな奴、無視するのが一番よ!」

その後も、数々の魔夜に対する罵倒がクラスのオンナ達から続けられたけれど、その時、魔夜の口から運命の言葉が飛び出した。

「さっきから、悪魔、悪魔って俺の事を呼ぶけれど、じゃあ一体、何の悪魔なんだよ!」

「あっ!」

「ど、どうしたの冬花!?」

「丁度良いわ…実は前から試してみたいと思っていた事があって…

…夏美、丁度アンタの『ご縁』を笑った月城に対しての仕返しにはピッタリだわ!」



「…五円玉を糸で吊して…って、これ、もしかして、催眠術に使う例のアレ?」