コイツ、月城魔夜(まあや)は私、江の島夏美の幼なじみで、仲はまぁ、悪くはない。

栗毛色の髪の毛で、獣っぽいツンツンしたショートヘアーの、私にとっては少し気になる存在ではあるが…



ちょっとイジワルな奴なのだ。



私は一つの不安を感じていた。

-コイツ、今日の事、ぺちゃくちゃクラスのオトコ共に話さないでしょうね…-

同じ高校、同じクラスであるがゆえの不安。そしてそれは現実となった。



「あーっ、もう!魔夜の奴!今日は朝からとんだ恥かかされちゃったわ。

昨日の日曜日、奴にさえ出会わなければ…

ところで冬花(ふゆか)、何かいい物見つかった?」

「月城の奴をギャフンと言わせる呪い、ねえ…」

最近、私のクラスの女子の間では、占いや呪術に関する話題が流行っていて、私もその内の一人だった。

そして親友の冬花に、グチを聞いてもらうついでに、冬花の愛読書、『西洋の呪い』で、魔夜に仕返しする方法を探してもらっていた。