「あの時すでに、催眠術から魔夜は覚めていたのね。

催眠術で人の心の中をさらけ出させるなんて、ひどい事よね。

仕返しにしてはひどすぎる。

だから、魔夜も私の事を好きでいてくれていた事、こんな形で知ってしまって私、素直に喜べない。

ゴメンね、魔夜。」

「言わないでくれ!」



「元はと言えば、ずっとイジワルな事ばかりしか言えなかった俺が悪いんだ。

幼かったんだよ…


ひどい事をしたのは、どう考えたって、俺の方だろ…」

「…これからどうしたら良いんだろ、私達…」



その時不意に、魔夜が右手で、私の右手の平を握ってきた。

「…とりあえず、仲直り…してくれよ。」

「うん…」





突然、魔夜は困った顔をしたわ。

あまりにもこの状況で起こり得ない表情をしたので、つい、どうしたの?って、魔夜に私が尋ねたら…



「…でも急にヴァンパイアの力が失われたから、お前ん家からどうやって、お前の両親に見つからずに抜け出すか、困ったぜ。」

だってさ。