「…んっ…はあっ…く、くすぐったい…そ、それ以上首筋、はむはむしないで…」

「んっ…はむっ…ヴァンパイアだから、仕方がないだろ?

それに、悪魔の俺がガブッとしたいのを、良心の魔夜が押さえつけてくるから、結果的に甘噛みに…」

魔夜が私の顔を、後ろから覗き込んで、言った。

「ごめんな、夏美…」

栗毛色のツンツンヘアーに、優しい、眼。

まるで主人を気遣う、ペットの様。
その様子とは逆に、力を入れて抱きしめてくる。


-痛っ!これ…は、悪魔の魔夜…?-


「…いつ見ても、可愛くねえよなあ、お前って。

化粧ぐらいして、ごまかせよ。」

そう言いながら、イジワルな視線を投げかける割には、愛おしそうに優しく私の頭をナデナデしてくる。


-違うんだ…本当はもっと他に言いたい事が…って…思ってたりするの?

良心の…魔夜ぁ…-