空気をすうと、昨日とはまた違った味がした。 天気予報に間違いはなかった。 吸い込まれるようなどこまでも青い空が、無限に続いていた。 それは、私と伊月が出会った空と同じように――。 手に持ったトランペットケースが、久しぶりにご対面した外の空気に驚いているみたいだった。 それ以上に、自分自身が久しぶりの感覚に緊張していた。