海くんを屋上に残したまま、重い鉄の扉を開けた。 目の前の階段を、夢中で駆け下りる。 転けてなんかやらない。 つまづいてもやらない。 今すぐ行かなきゃ。 じゃないと、後悔する。 今の私にできる唯一のこと。 それは、 伊月のもとに走ること。