けれどーーー オレはそれ以上茜を抱けなかった 何故なら 茜をこうして抱いていても 茜の切なくなるような甘い声を聞いていても オレの心には何も響かなかった まるで世界中の音が消えてしまったかのように思えた オレには分かる いや、漸く分かった それはきっとーーー 茜を抱こうとしているオレの心には 別の女がいるからだ