──翌日
バシッ!!
今日も、竹刀が勢いよくぶつかり合う。
「そこまで!勝者、松林!」
いつものように部活が終わる。
今日も早く帰ろう…。
そう思っていたときだった。
「松林さん!」
誰かに声をかけられ、振り返った。
この人…。
誰だったかな…。
「あ、私、水野日和。同じ剣道部なんだけど…」
「知らない。…用は?」
言葉を間違えた。
彼女は一瞬眉をひそめたが、すぐに微笑みを取り戻す。
「あ、そうそう。これ、松林さんのでしょ?あっちに落ちてたよ」
水野はそう言いながら、私の後ろの方を指差し、タオルを渡した。
「あ…ありがとう…」
そう言うと、水野はニッコリ笑った。