「千春ー?ご飯食べるよ!」
一階からお母さんの声が聞こえてきた。
パソコンを閉じて、下に降りていく。
「いただきます」
お父さん、お母さん、私の三人で食卓を囲む。
ふいに、お父さんが口を開いた。
「家族旅行にでも行かないか?」
お母さんも微笑む。
「そうね…。たまには良いかも」
「じゃあ、決まりだ。千春、どこに行きたい?」
お父さんに話をふられ、
「…京都」
私は迷わず、そう言った。
何でかは、分からない。
「京都に、行きたい」
「京都か…。いいかもしれないわね。考えてみれば、家族で行った事ないし」
「そうだな。じゃあ、京都に行くか!」

