夢花火






「え、何だこれ…」

調べていくと、“土方歳三 豊玉発句集”という文字が見えた。

「梅の花、一輪咲いてもうめはうめ…?」

それを読んで、少し考えて…。

「…そのまんまじゃん」

思わず、笑ってしまった。

「うぐいすや、はたきの音もついやめる…」

夢中になって、俳句を読んでいく。

また、涙が出てきた。

「梅の花、咲るしたけにさいてちる…」

土方歳三って、梅の花が好きだったのかな…。

こんなに温かい句を詠んでいたんだ。

“鬼”って呼ばれても、きっと、本当は優しい人だったんじゃないかな…。