夢花火





「こいつは、江戸から来たらしいが行く宛がないんだ」


「江戸から、一人で来たのか?」



近藤に聞かれ、小さく頷く。



「で、こいつは総司に剣で勝ったんだ」


土方がそう言うと、沖田はムッとした顔をする。


「次は、負けませんからね」


「だから、こいつを隊士にしようと思う」



その言葉に、近藤と沖田は驚いた顔をする。



「いいんですか?この子、長州の間者かもしれませんよ?」


「私間者とかそんな面倒くさそうなことしません」


「信じ難い。まだ信用できねぇ。見張りも兼ねてお前を入隊させる」


「...なんか色々強引すぎません?」



少し言い合っていると、ため息混じりに、近藤が口を挟んだ。



「歳、よく見ろ。この子は女子だろう」




近藤の言葉に、土方と沖田が目を見開く。