夢花火





数日後。


特に何の用事もなく、ただ何となく、廊下を歩いていた。


そして、ふと足が止まる。


「近藤…?」


庭に出ると、近藤の姿があった。


「あぁ、松林君」

「何をやってるんだ?」

「この桜の木を見ていたんだ」


近藤の視線を辿り、桜の木を見上げる。

もうすぐ咲きそうな時期だ。