夢花火





そして、見覚えのある神社が見えてくる。



鳥居が、一年前と変わらずに
堂々と立っていた。



その先に見える、満開の桜。





「…綺麗」




思わずそう口にすると、土方は微笑んだ。




「お前に必ず見せたかったんだ」





二人で言葉を交わしながら、近くにある大きな石に座った。





「じゃあ…。食べるか」





そう言い、おにぎりを取り出す。



本当に自信ないな…。




沢庵おにぎりなんて。




食べた事もないし、見た事もない。