「土方。私だ」 「入れ」 いつもの言葉を交わし、中に入って行く。 「おにぎり作った」 中身、沢庵だけど…。 そう言いながら、竹皮で包んだおにごりを掲げる。 「ありがとな、千春」 「美味しいかどうかは、保障出来ないからな」 そう言うと、土方はふっと笑う。 「馬鹿か。お前の作ったもんは、全部美味い」 ちょっと照れながらも、 「…ありがとう」 そう、小さく呟いた。