そして、その時が来た。 介錯をする事になった沖田が、刀を持って山南の後ろに立つ。 山南は、手際よく手を動かしていった。 少しずつ、山南の顔が青白くなっていく。 私達は涙を堪え、山南の切腹を見ていた。 そして──。 沖田が、勢いよく刀を振り落とす。 元治元年、二月二十三日。 山南敬助、享年三十二。 山南の生涯は、こうして幕を閉じたのだった。