夢花火






泣いている明里さんに、山南は続けた。



「法度を破れば切腹。それが、新撰組の掟なんだ。私が腹を切らなかったら、隊の規律は乱れる」




「あんさんが死んだら、ほんまに新撰組の為になるん?何で、山南はんが…」



「…私が望んでいるんだ」




皆、山南に死んでほしくないと思っているのに…。



私も、明里さんも、土方も…。




「お願いやから、死なんといて…‼」




必死に明里さんがそう言っても、山南の心は揺がない。




「我儘を言わないで」




私達は…


どうすれば、良かったのだろう。




もう、辺りは暗くなっていた。