「…どうして戻ってきたんだ」



山南がいる所に行き、私は聞いた。



こんな事は誰も望んでいない。


山南にいなくなってほしくない。




なのに──。





「…最初は私も、逃げる事に必死でした」




「じゃあ、何で…」




「沖田君に追い付かれた時、やはり自分のいる場所はここだと気付いたんです」




「……」





「沖田君には、江戸まで逃げろと言われましたが…。私は首を振りました。ここに、戻ってきたかったんです」




その時私は…




山南の決意がどれだけ固いものかを、感じた。