そして、私は今、京の街を歩いていた。 久し振りに日和に会いに向かう。 いつものように、朔屋の中に入った。 「あ、千春久し振り!」 笑顔の日和がこっちに駆け寄って来た。 「あぁ、久し振り。団子二本よろしく」 ふと、店の中を見回すと、そこには珍しい人が座っていた。 「…山南?」 山南がそこにいたのだ。 隣には、山南と楽しそうに話している女の人がいる。 山南は、私の姿を見ると微笑んだ。 「千春さんもよく、ここに来るんですか?」 「あぁ。山南、その人は?」