夢花火





「…は?」


「俺はここで待ってるから、早く行ってこい」



そう話しているうちに、女の人が私の方に来た。


そして、軽く腕を引かれる。



「わっ…」



店の奥の方に連れて行かれ、女の人は手際よく私に着物を着せていった。



いつもは、動きやすい男物の着物を着ていたから、なんか恥ずかしい…。



そして、あっという間に着物を着終わる。



女の人は、私の髪も綺麗にまとめ上げた。




「ほら、早う旦那はんの所に行きなはれ」



「えっ?」



急に話し掛けられ、変な声が出てしまう。




「あんさんら、とってもお似合いよ。ほら、早う」



そう言い、私の背中をぐいぐい押す。


慌てて歩き、土方のまえに立った。




「土方。遅くなってすまない」



私がそう言っても、土方は突っ立ったままだった。