夢花火






「ああ。ちょっとな」



そう言うと、山南は微笑んだ。



「土方さんは、とても良い方ですよ」



突然、山南がそんな事を言った。


黙ったまま山南を見る。




「土方さんと近藤さんは、昔から仲がいいんです。土方さんは、新撰組の為…近藤さんの為なら、どんな事でもします」



私もそう思った。


土方はそういう人だ。




「例え、自分が犠牲になろうとも。近藤さんの為なら、あの方は鬼にだってなります」



「………」




「…しかし、土方さんは無理をする事もあります。そんな時は…。千春さん、貴女が、土方さんを支えてあげて下さい」