夢花火





何となく、この猫が何かを知っているような気がした。そんなことあるはずないのだけど、本当に直感だ。



私は、その猫を追いかけた。



家を通りすぎ、学校を通りすぎ、駅を通りすぎ…。



もう、どれくらい走っただろうか。



無我夢中だった。不思議なことに疲れは感じない。



でも、猫は走り続ける。
私は必死に走った。



いつの間にか、森の中に入っていた。



走って走って、もう限界に近付いてきたとき、猫が立ち止まった。



目の前にあるのは…




「神社…?」



森の木に囲まれた、見たこともない神社だった。