「恐らく、今夜どこかの店で会合が開かれると思います。京には、もう既に何人もの長州や土佐の藩士が潜んでいます」 「どこの店か、予想はつきますか」 沖田がそう聞くと、山崎は首を振った。 「いいえ…。一軒一軒、探して行くしかないと思います」 「…そうか。山崎、ご苦労だった。また何かあったら教えてくれ」 「承知」 土方がそう言うと、山崎はサッと部屋から出て行った。 緊張感のある部屋の中、土方はよく通る声で言った。 「これから、軍議を始める」