そこにはニッコリ微笑む猛が。どうしよう。笑顔と優しさが胸にズキュンッ←です。
今なら、素直に言えるかな…?
あたしは意を決し、猛に向かって言葉を発しようとした。………が。
「ねー見て!猛先輩笑ってる~っ!」
「ほんとだぁー!可愛い~♥」
「たまんなーい!」
どこから湧いて出たのか、周りは一年生の女の子達に囲まれ始めていた。
黄色い声はあたしを簡単にイラッとさせ、簡単に“ツン”にさせた。
「べっ…別にいいわよ!猛の手なんか借りなくても出来るからっ!」
………もう、死にたい。
いっそ誰か、誰でもいい。あたしを海に沈めて、この馬鹿な口を一生封じてくれ……。


