コンコン。ドアをノックする。 「お姉ちゃん服貸して~」 ドアの隙間から顔だけ出してそう言うと、ネイル中のお姉ちゃんがこちらを見た。 「…え?まさかあんた、デート!?」 「うっ…うん。そうだけど……」 「マジで!?じゃあとびきり可愛いの貸してあげる~♪」 き、気合入ってません? お姉ちゃんはネイルを息で乾かし(あれで乾くのだろうか)、ドアの外に立つあたしを部屋の中へと引っ張った。 今年で大学一年生のお姉ちゃん。だからか、あたしより全然大人っぽい…。