ふんっ。と顔をそっぽに向け、今にも吊りそうな筋肉でなんとかノートを支える。
本当は、猫の手でも借りたい気分だよ!猛の手を借りなきゃ無理ですから!
けど今さら、そんな事言える訳もなくて。
「あ、そういうことなら」
猛はそう、笑顔のまま、来た道を戻って行った。
去り際アッサリしすぎですって…!
女の子達から……刺さるような視線を感じる。
「何あれ酷くない?せっかく猛先輩が気を遣ってくれたのに」
「あり得ないよね。つか猛先輩に対して何?あの態度!」
「いくら彼女だからっていい気になんなよ!」
誰か、救急車!重傷者一名です!
痛い。痛すぎるよその言葉!確かにその通りですよ。だから言い返しもしませんけど!てか言い返せませんけど!
あぁ、情けない……。


