「気になるなら、連絡してみればいいだろう?」



 学園祭まで残り1週間となったある日の休み時間、速人に言われた。



「そんなことができるような仲じゃねぇよ。」



 本当は、実は一度だけメールを送ってみたのだが、5日待った今日まで返信が着てない。



「ってことは、やっぱり気にしてはいるんだな?」



 うっ・・・。



「うるせぇ。」



「まぁ、いいけどな・・・。別に、あんな女気にすることねぇよ。大方、先輩と別れたんだろう?」



 ・・・なんたる言い草。



「お前・・・大場さん相手だと、容赦ないな・・・。」



 正直な感想。



「だって、俺、アイツ嫌いだし・・・。」



「あっそ・・・・。」



 どうしてだろう・・・と、追及する気にはならなかった。



 速人は女性の好みにうるさく、それゆえ嫌いなタイプも多いのだ。



 そうでなければ、これだけのスポーツマンが未だに独身貴族を貫いているわけがない。



 そういう意味では、こいつが惚れた太刀魚亜紀は、よほどの女なのだろう・・・。



 俺は、まったくそうは思わないけど・・・・・・・。