入道雲が遠くで浮かび、いくら薄着を着ていても、汗がにじみ出る。



 そんな猛暑の真っ只中で、赤塚学園は、新学期を迎えた。



 夏休みには色々やろうとも考えたのだが、結局考えがまとまらず、望巳は春休みと同じ場所でバイトに明け暮れることで終わった。



 春休みのときとは違い、金の使い道が決まっていなかったから、二学期からは余裕ある生活ができると思ったのだが、服を買い、本を買い、タバコをまとめ買いしたら、いつの間にか、残金は悲しいほどに少なくなるのだから、不思議なものだ・・・・。



「おっす。久しぶり。」



 9月1日。



 秋晴れと呼ぶには暑すぎる放課後。



 いつもの体育館裏でタバコを吸っていると、亜紀が遅れて現れた。



「ああ、久しぶりサンマ。夏休みはどうだったよ?」



 他愛もない質問。


「う~ん。普通かな。部活で本書たり衣装作ったり、夏コミ行って同人誌買ったり売ったり、コスプレイヤーの写真撮ったり撮られたり・・・・。」



 ・・・・・・・ソレ・・・・・・・・・普通なのか?