速人のときとは違う、憧れではない、生まれて始めての恋愛感情・・・・。



 なんで、こいつに好きな女性がいると分かった瞬間に、そんなことに気が付いてしまったのだろう・・・・・。



「あ、私、それじゃあ、用事があるからもう行くね。」



「お、おう。」



 さっさとこの場から立ち去りたかった。



 隣に捨てるかのようにおいてあるカバンを取り上げ、あわてたように、その場を立ち去る。



 少しでも早く遠くへ・・・・できるだけ遠くへ・・・・・・・・・・・。



 その日の夜、私は自分の部屋で何年かぶりに思いっきり泣いた・・・・・。



 それからどれぐらいの月日が流れただろうか・・・。



 私は1つの結論を出すことにした。



 望巳が誰が好きでもかまわない。



 私は、私だけは望巳を好きでいよう・・・・。ここにいて望巳だけを見て、彼を守ってあげよう。



 決して他の男になびかず、望巳だけを・・・。



 望巳、私はずっとここに居る・・・・・。



 だから、何年先でもいい。いつか私の所に戻ってきてね・・・・・・。