駅の西口、駅ビルのなかの、ガラス張りのカフェ。

 頑張って伸び上がればギリギリ、外を行くひとが見える席に、あたしは座っていた。

 『待ち合わせ』というものに、あたしは慣れていない。

 たいてい、出かけようと思った瞬間に、連れは横にいたし、ヤツらがいないときはひとりでいた。

 わざわざ、誰かとつるむためにつるむ、なんて趣味じゃない。

 だから。

 外で、誰かが来るか来ないか、不安定な気持ちで待つのなんて、好きになれないんだ。