狼先輩。



……なんて思っている私の心を読んだように、



「今、ことりちゃん顔赤い?」



と訊いてきた。


「…っ!」


「……その無言は、肯定の意味ってことでいいのかな?」


「……」


「ま、ことりちゃんが赤くならないわけないか…。顔真っ赤になってることりちゃん見たかったなぁ…」


いやいや!


全然見なくていいですっ!

っていうか、見ないでほしいです!



肩を抱く先輩の腕から逃れようとすると、逆にぎゅっと本格的に抱きしめられてしまった。