狼先輩。



「……もしかして、ことりちゃんて、暗いところ苦手?」


「……っ」


「……その反応を見ると、そうみたいだね」



……そうですよ。


今だって怖いし不安だし…。



暗所恐怖症の私にとって、今という状況は最悪だ。



今だって……ほら、こんなに震えてる。




そんな私の震える肩を抱くようにして腕を回した先輩は、私の耳元で甘く囁く。




「大丈夫、俺がいるよ」



耳から相変わらず美しいお声が入ってきて、少しゾクリとした。