狼先輩。


やっと先輩が離してくれたときには、もう頭の中は真っ白で、何も考えられなくて。



ポスン、とそのまま先輩の胸にもたれかかった。


「ごめん、ちょっと夢中になりすぎちゃったかな……」



と言うと、先輩はそのまま私を部室内にあるベンチに座らせてくれた。



「大丈夫?」



と言われて、顔を上げる。



と、大神先輩が顔を赤くした……気がした。



「……ごめん、ことりちゃん」


「……?」


「今、すっごい欲情しちゃった」


「っ!!」


「そんな可愛い顔、俺だけのもの……だからね?」



今、私どんな顔してるんだろ……?


なんて考える暇もなく。