狼先輩。



「ふふっ、いい気味」


「っ!」



扉越しに聞こえる千沙先輩の声。



「皐月にちょっと気に入られてるからって調子乗らないでくれる?」


「ちょ、調子になんか乗ってないですっ!」


「それはどーかしら?あなた、この前、体調悪いとか言って部室で2人きりだったんでしょ?」


「っ!」



大神先輩にキスされたあの日を思い出す。


でも、最初は西村くんといたから、大神先輩と2人きりになったのは途中からだし……。



っていうか、なんでこの人はそれを知っているんだろう。