狼先輩。



背後から耳に入ってきた声に、ゾクリ、と寒気がした。




え……?



どう考えてもこの声は男の人のものじゃない。


しかも、私はこの声をよく知っている。



「ふふっ」



と笑う高い声。



振り返ろうとすると、


――バタンッ



と、大きな音を立てて、扉が閉められた。


……扉が閉められるときに、ちらっと見えた人。



それは、私が想像していた人と同じで。



――カチャンッ



その人に、外から鍵を掛けられた。