やがて、先輩は私の唇からタオルを離すと、



「……戻ろうか」



俺、主役だしね。と微笑みかけてきた。



……先輩が勝手にパーティーを抜け出したくせに。


……私を連れて。




「ことりちゃん」


名前を呼ばれて顔を上げると、ニコリと笑った先輩が私に手を差し出していた。




……そんな顔、しないでくださいよ。


頭の中で文句を言ってから、私は無言で先輩の手に自分の手を重ねた。